一方、セリスはメンバーのまとまりの無さに頭を抱えていた。
「ちょっとー!暑い!暑すぎ!!絵の具の油が溶けるわ!」
リルムはさっきからひっきりなしにわめいている。
「リルム殿、心頭滅却すれば火もまた涼しでござる。」
「その通りだゾイ。カイエンは良いことを言うわい。」
「うるさい髭連合!私の特殊技が危機なのよ!」
「やれやれ…仕方ないのう…リルム、ちょっと来てみい。」
ストラゴスが立ち止まり、リルムを手招きする。
「何さ、ジジイ。」
文句を言いながらも近寄るリルム。
「ほれ。」
ストラゴスは素早く団長の髭をつけた。
「これでお前も髭連合だゾイ。」
「渋いでござるよ。」
「サンダー!!」
『ぎゃあぁぁ…』
「し…痺れるでござる…。」
「ダ…ダンディズムじゃ…」
「サンダラ!!」
『うわあぁぁ…』
「痺れてろっ!」
「…痺れるような…バディでは、ないのぉ…」
「ストラゴス殿、リルム殿はまだ子供でござるよ…」
「サンダガ喰らいたい?」
ぶんぶんと首を振る二人。
リルムはぷいっと二人に背を向けた。
「リルム、暑いのは皆一緒よ。そもそも年配の人には厳しい環境なんだから。」
ケアルラをかけながらセリスが二人の心にトドメを刺した。
「も〜‥さっさと帰りたいよぉ…。」
「早く行きましょ?それが一番の近道だわ。」
「うん。あ、ティナがいるよ。」
「え?どこ?」
「ほら、あそこ。」
リルムはモグの近くに立つ後ろ姿を指した。
近くには何故か固まったフィガロ兄弟がいる。
「ティナー!」
セリスの声に、ティナが振り向いた。
「セリスー!そこのボタン押して〜!」
「えっと…これね。」
ぽちっ、ドドン!
道が開いた。
「ありがと〜!」
今度はティナがボタンを操作する。
「先に行くわねー!」
二人にデスペルをかけ、四人は奥へ向かった。
「大丈夫かな?」
「ティナ殿、疲れているようでござったが…。」
「まぁ、いいわ。とにかく早く追い掛けましょ。」
『了解〜。』
こんな時だけはまとまる三人だった。
(仲間思いなんだかそうじゃないんだか…。)
とにかく、先を行くパーティは
「溶けるクポ〜!!」
「ブリザド!」
「さんきゅーだクポ。」
“キシャアァァァ!!”
レッドドラゴンを
「夢幻闘舞!」
「オートボウガン構え〜‥」
ザクザクザクザクザクザク…
「刺さるわ〜!!」
「すまん!!」
「棒読みにも程があるぞ!?わざとだろ!」
「まさか!!!!」
「まぁ、いいや…」
ゴオォォォ!
『わあぁぁ!』
「クポ〜!」
「きゃあっ!」
シュウゥゥ…
「け、ケアルガ!!」
「爆裂拳!」
「ドリル!」
「だから俺の技と同時にやるなって!!」
「双子だから!!」
「言い訳にならねー!」
「息合いすぎだクポ…。」
何とか倒し、洞窟の最深部までたどり着いた。
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